Funeral Makeupoutline..

タイトルは日本語で「死化粧」を意味します。
消費主義と情報社会、希薄な人間関係への風刺を表現した作品です。

高級なバッグは豊かさの象徴であり、女性にとってのステータス。一方で豊かさは消費を加速させ、廃棄の連鎖を呼び起こすファクターです。

バッグも本作品も、ともに牛の死体(レザー)で生み出されています。しかし、内面に込められた意味合いは全く正反対のものなのです。

これはもう一つの、情報社会の闇に繋がります。本質ではなく外見と印象で人を捉える社会。

彼らは常に新しい物を探しますが、同時に周りと同じであることを強く求めます。
原初的な風景も革新的なプロダクトも、瞬く間に複製・拡散される時代。

承認欲求を満たすため、ある人は固定観念で人や物事をジャッジする。
発せられた声はやがて同調圧力という波となり、またたく間に自由解釈を押し流します。
表現者の伝えたい本質はいつしか歪み、伝達者のレッテルまみれに。

多くの人の認識は絶対的でなく、常に他者との関わりの中での相対感に満ちています。
このノイズを強く増幅してしまうことこそがSNS・ネットが持つ闇の一部と捉えています。

ただしこれは今の社会・時代だけに限った話ではありません。

豊かであるにも関わらず、不満が溢れる。
反対に、未発展であるのに幸福感に満ちた国もあります。

豊かさを追い求めて競争すること。
競争するゆえに、他者を意識し左右されること。

確固たる主観を持てない事が不安と不満を生み出す根源に繋がっているのです。


本作は「バッグ」ではありません。


この作品はあなたの目にどう映るでしょうか。

生み出されては消えゆく命に死化粧を施したアート作品。
多くの人はこの作品を外見でバッグと認識することでしょう。

I make each piece individually which also takes time, so the price is also high. However, the product quality is extremely high, and I find it to be a wonderful bag, also as a work of art. I also have data that explains this, so please take a look at that. After a cow has been slaughtered, I paint onto a single large piece of leather from which I create a bag made with the emphasis that a bag craftsman places on quality. My concept is that a single bag is a culmination of a single cow, and it is a work that reaffirms its life that it gave up through its death. I choose to turn it into the shape of a bag as it is symbolic of the status of people.