Aurora Paintoutline..

オーロラペイントと題したこの作品で使用している写真は、常に変化し続ける普通の飾らない日常の風景を私が撮影しました。
その写真の上にオーロラフィルムを貼ることにより、光の量、見る角度で色が変化し、写真に撮ると実際に見ているものとは違うものが映る事で、SNSやインターネットの中での着飾った消えない世界と現実の違いを比喩しています。

作品を正面から見ると鏡のように反射して映り込む自分の今の姿も含めて作品の完成形となりますが、これは今あなたが見ている世界は真実なのか?という疑問を投げかけています。

現代、私たちはSNSやインターネットを通じて情報を得る時代になりました。
オンライン上では自分を加工して全く異なるアバターを演じたり、真実を歪め続けた結果、現実と向き合うことを恐れて目の前にある幸せを知覚できない人が数多く存在します。
インターネットを通して目にした物や疑似体験はどこまでが真実なのか?
私たちにとって健康的なツールなのかという問題定義の作品でもあります。

最後に、作品とは直接関係のない意味のない言葉を作品に乗せたり、抽象的に描いたりしているのは、私が問いかける問題すら宇宙から見たら些細な事であり、他人の問題であり、考える事自体が馬鹿げているというメッセージでもあります。

今回発表するオーロラペイントのシリーズは、インターネット上で溢れる情報を真実として誤解している現代の人々への警告や今一度自分と向き合うきっかけを提供しています。
しかし、長い目で見るとそれも歴史の点でしかありませんが。